フエタロさんの日記です。

はてなダイアリーサービス終了に伴い、2019/1/1よりこちらに移転しました。はてダでの更新日数は5625日でした。

旧万世橋駅遺構公開に行ってきたよ。

ヲタの皆さんにはおなじみの秋葉原。その秋葉原の玄関口ともいえる万世橋の袂に古くからある交通博物館は、首都圏に在住している人の多くが一度は足を運んだんじゃないかと思える超定番遠足&社会見学スポットで、アキバに鉄道模型屋が数多く存在しているのもここと無縁じゃないと密かに思ってたりする。僕もご多分に漏れず、小学生の頃にはとバスツアーで初見学、その後も何度か訪れた思い出の場所だ。
もともと交通博物館のあった場所には万世橋駅が存在しており、1912年の開業時には中央線の終着ターミナルに相応しい辰野金吾による煉瓦造の駅舎が建てられた。

これは模型だが、東京駅に先駆け建てられた小さな兄貴分といった風情が感じられる。残念ながらも関東大震災で焼失、残存部分を改修した2代目駅舎が造られ、1936年には今の交通博物館となる3代目の博物館を併設した駅舎*1が完成しその後幾たびかの改修を経て、本秋に埼玉移転の為その歴史に幕を下ろす事になった。そこで博物館の裏手に残る初代駅舎の遺構であるプラットホームとそこに続く階段、ホーム下の煉瓦造のアーチを特別公開するのが今回のイベント。
最初は予約を取るつもりだったけど、休日の予定が不確定だったので当日の朝10時半頃に会場へ。1時15分の回となったけど、久しぶりのアキバだったのでひと廻りして食事を済ませ再び交通博物館に。館内は親子連れやカップル、鉄道マニアでごった返す。これで閉館というのは惜しい気もする。ちなみにこの建屋も1936年築の年代モノで、質実剛健かつ軽快な造りは戦前のモダニズム建築として見所の多い建物。初代駅舎の基礎部分を継承するプランは明治からの地霊の確かな息づきを感じさせるし、SLホールの3階に及ぶ吹き抜けや両サイドの半円形サッシに覆われた光あふれる階段室の雰囲気は閉塞的な博物館建築に開放的な雰囲気を与え、子供達に親しみやすい啓蒙を目指したであろう創建当初の理念を想像出来る。
もともとホームへの入り口だったシャッター前に集合して、係の人の案内でバックヤードの廊下を抜けてまずはガード下へ。
:H400
それほど広くないけど風情のある空間が広がる。一方側はコンクリートブロックで塞がれていた。ここでプロジェクターによる万世橋駅の歴史を紹介。わざわざこのイベントの為に編集された映像だ。
:H400
面白い形の花崗岩アーチ。
:H400
なんともいえない良い雰囲気。移転後は再利用の計画とかあるのだろうか。
:H400
ホームへ昇る階段。手ぶれですまん。
:W400
壁は施ゆうのタイルで薄汚れていたけど、クリーニングすればまだまだ見栄え良さそう。階段のノンスリップは戦時の金属供出で撤去されたとの説。
:W400
階段を昇りきってホームへ上がった所。ちなみにサッシとALC板の天蓋に覆われ区画されており、ホームには出れない。
という訳で短い時間だけど色々見れた。移転後の再利用計画がどのようになるのかが気になるところ。まさか全面撤去とかゆわないよなぁ(笑)。新しい街づくりが進行する秋葉原から程近い、歴史あるこの初代駅舎の遺構に対する有効利用としての保全計画が相応しいと思うのだが。こういったイベントを行う事で市民に対する歴史資産の認知度の向上を図り、その集客力をもって保全の有効性を実証することにより実行力のある計画立案の助けになれば、と思う。
ついでに、館内も色々撮影したり。

広い吹き抜けにSLと複葉機。何時来ても変わらない懐かしい光景もそろそろ見納め。

名物のパノラマ模型。運転してる時には大勢の人が集まる。

特別展の蔵出し模型。JALカラーのコンコルド!計画はあったがオイルショックで立ち消えたそうな。

アンリファルマン複葉機。日本で最初に飛んだ飛行機だっけ?うろ覚え。

*1:ちなみにプランを見ると分かるが、初代駅舎の基礎を現在の交通博物館も利用している為建屋の形状がほぼ同じ