フエタロさんの日記です。

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「コクリコ坂から」を見てきたよ。

自分としては今まで見たどのジブリ作品より好きな映画だった。吾朗監督いい仕事してるよ!ゲド戦記以来の監督2作目となる本作、想像以上に素晴しい進歩を遂げていて嬉しくなった。
東京オリンピック直前の高度成長期を迎える手前の横浜を舞台に、女ばかりの下宿屋でおさんどんをしながら毎朝海に向かって信号旗を掲げる女子高生メルちゃんと、ガリ版誌を発行したり古いクラブハウスの取り壊し反対運動に情熱を燃やす文芸部長の風間君が空から降ってきたり掃除をしたり出生の秘密に悩んだりする話。
とにかくヒロインのメルちゃんが大変魅力的で、無愛想で家事ばっかりしているという下手すると地味なだけになりそうな設定を近藤勝也の色気のある描線と長澤まさみの自然体な演技によって生き生きとしていた。おさげいいよね、おさげ。部屋で寝る前に髪を下ろすのもまたよし。あとお気に入りのキャラは2人のメガネキャラ、生徒会長の水沼君と画学生の広小路さん。水沼君は登場シーンがとても格好良くて、屋根の上から片手ポケットで腕時計を見るキメポーズ!まさにナイスメガネ!広小路さんは寝床でもそもそ起きるとことかビーフジャーキーをもふもふ齧るところがかわいかった。
舞台になる部室棟、カルチェラタンはよくありがちなド汚い野郎どもの魔窟で、僕も学生時代はこういう場所でその殆どを過ごして来た人間だったからとても懐かしく思えた。僕らの時代はガリ版じゃなくてリソグラフと10円コピーだったけど。
1963年の横浜や東京をリアルに描いた美術も素晴しく、やっぱりジブリの技術力はレベル高いわー、とか思ったりもしたけれど、地味に船の作画もよかった。特にLSTが機雷に被弾するところとか。原画は誰だったんだろう。