フエタロさんの日記です。

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〜tokyo toricoレーベルFes〜「桃井はるこ 『STAY GOLD』 発売記念ライブ !!」に行ってきたよ。

よく巷で耳にするのが「ライブの予習をする」という行為。正直な話、それって実は非常に勿体無い行為なんじゃないかなあ、と常々思っていた。だって、知ってる曲で盛り上がるのって、同じアーティストのライブに何度も通えばこの先幾らでも出来るのに、ライブで初めての曲に出会う機会は人生で一度しかないんだから、自分としては予習などという無粋な行為は必ずしも必要ではないんじゃないかという持論。
今回のモモーイワンマンは、来月発売の新アルバム「STAY GOLD」記念ライブという名目なんだけど、いやそれアルバム発売したらやるやつやで!と誰もが突っ込む不思議な感じのシチュエーションだけど、自分的には上記の理由で大歓迎ですごちそうさま、ってな感じで期待に胸膨らませて当日を迎えたのだった。
今回はシルバーウィークの中日、そして会場も世田谷区民会館という割と家から近い場所で、ベストコンディションでライブに望めるというもの。何年か前にゲーム音楽のオーケストラライブで行ったことのある会場なので、いつものライブハウスとはまた違う雰囲気や音響が面白い。ただし、適度に広がるオルスタと違って椅子ありの会場だと、最近集客力がめっきり落ちてるモモーイ現場の現実をまざまざと見せつけられてしまったちょっと寂しいものはあったりもする。連休で他のイベントが被ってるというのはあるにしろ、後ろ半分空いてるって勿体無いよなあ。
定刻通りにライブはスタート。前半が定番曲、中盤がレーベルメイトのアイドルグループPIPのゲストを挟んで、後半は新アルバム曲全曲披露という変則的なセトリ。一曲目はいきなりの「さいごのろっく」から「トンドルベイビー」「ナイト・で・ないと」「いちごGOGO」「ワンダーモモーイ」、「ライフイズフリー」を挟んで「アキバレンジャー」「天空のスプライト」「勝利の女ネ申」「LOVE.EXE」という一気呵成に鉄板曲の釣瓶撃ち、なにこれ、これがライブの前半戦?みたいな盛り上がり具合。中盤のEXEとか、あまりに良い最終回だった過ぎてヤバい。オルスタだったら死んでた。いつものライブハウスと違ってコンサートホールだからか、音の広がりがとても気持ちいい。客席側は人口密度が低いので、コールが広がり過ぎるとちょっとさびしい気もするが。でもまあこういう会場でおもいっきり声を張り上げられるのは素晴らしい。いつもとひと味違う開放感だ。あと今回のバンドメンバーはマニピュレーターがharaddyさんで、この人はめっちゃ笑顔で色んな打楽器を打ち鳴らして踊っている癒し系キャラなので、ライブ中についつい目線が向いてしまったりもする。
PIPのパートでは、モモーイとのコラボで「アキハバラブ」からのスタート。実は以前、PIPってどんなグループなのかなあ、って思ってアキバでやってた無銭イベントを観に行ったんだけど、なんか音響トラブルでマイク死んでたり、リーダーの子とプロデューサーが喧嘩腰でトークしてたり、プロデューサーがネタバレ発言してメンバーの子を泣かせてしまうとか、なんかグダグダっぷりがヒドくて正直微妙…って思ってたのだが、今日のパフォーマンスは予想を遥かに上回って大変素晴らしかった。モモーイの曲を事前にかなり練習してきてくれたんだろうなあ、というのが伺える安定した生歌とダンスで、マジすんません、侮ってた自分を反省させていただきますと平身低頭。10年前にPerfumeが通ったこの道を、今こうやって彼女らが歩んでいるのは中々胸が熱くなる展開であるね。続いてPIPの持ち歌を二曲披露。コラボに続いて堂々としたパフォーマンスで、アウェイながらもモモイストを盛り上がらせていた。決して安くはないチケ代を払って見に来てくれたPIPヲタの皆さんも、後ろのほうの席から頑張って声を上げてPIPを応援してて、いい仕事してんなあと思った。こういうアウェイな現場に推しを応援に来るのって、敷居高いけど楽しいよね。ただし一人だけ通路をずーっと往復して走っては廻りの客にタックルしまくってるマナーの悪いピンチケがいたのはちょっと残念。他所の現場で粗相すると評判悪くなるから、もうちょっと大人しくしてた方がいいんじゃないかとか思ったり。
そして待望の後半戦へと突入。いよいよ新曲!…と思ったらいきなりのアカペラで名曲「こたえ」を披露。意外な処からの不意打ちに、狼狽しつつも感涙である。アンセブ時代の名曲をワンマンで聞ける喜びである。
と嬉しいサプライズから幕を開けた後半戦、最初の新曲は「Brain Snowing」。冬が嫌いな桃井さんは夏の曲を沢山作ってるのに冬の曲が少なすぎて、寒い時期に歌う曲に困るということで今回作ってみたそうだが、蓋を明けてみたらシーツをゲレンデに見立てての脳内雪遊び…インドア派の桃井さんらしい捻りの聞いた歌詞ですね…いや、いい曲だと思いますよ!マジで!でもやっぱり冬が好きな自分としては、ロマサマとかスク水の歌とか夏の曲は名曲多数なのに冬の歌が少ないのは寂しいなあとか思ってたけど、人には向き不向きがあるの、仕方ないよね。うん。
次のパートでは既発表ながらも今回のアルバムでようやく収録される曲のパート。「インビジブルシングス」は2年前のワンマンが初出で、iVDRにしか収録されてないので、耳馴染みのないモモイストも多そうだ。激しく盛り上がる系ではないけど、アップテンポで沁みる系という感じのモモーイが一番得意なレンジの曲だと思う。ようやくCDで聴けるので嬉しい。続いては「ドリーム天国」。今はなきドリパのテーマソングで、せーけん放送のOP曲でもある。今回のアルバムで数少ないタイアップ曲だよ!「ツキにむかって、うて!」は前回ワンマンでの初披露曲。タイトル変わったみたいね。いつかこの曲、夜の野外ライブで聞いてみたいな。
本日二曲目の新曲は「tora:uma」。なんか虎と馬のキメラが立ちはだかるとかギャグ曲かと思いきや、トラウマなんて本当は存在しないんだ!みたいな、すみぺ的に言えば地下から地上30cm位にジャンプするモモーイ的ポジティブソング。今回のアルバムは全体的に前向きな曲ばっかりみたいやね。3年ぶりのアルバムなんだから良いと思うっす。「I my moko」はニコニコ時代に作られた曲だから、今回収録曲では一番古いのかな?アキハバラブレコードというレーベルも立ち上げたドワンゴとの蜜月時代がなにやら自然消滅、以来アルバム発売まで3年もの空白期間が出来てしまって、まあ色々と大人の事情的なアレコレもあったんだろうと思いつつも、今はこうやって新しいレーベルでのリブートを素直に喜びたい。アルバム発売に伴い、遂に待望のインストアイベントや全国ツアーも決まった事だし。日程的に平日開催で厳しいけど、名古屋位は遠征したいなあ。
続いては、アルバム中の推し曲だというMCからの「カイト」。3年前のライブで初披露された曲だけど、確か「しばし旅に出てきますね」という言葉とともにtwitterを休止した直後に書かれた曲なんだよな。つい先日twitterを再開したモモーイが歌うカイト、「も一度いつかまた会えますように」「君にまた会えるかな 旅の途中で」などの歌詞が物凄く刺さる。「We say Yeah!」はアニ力のテーマソング。数少ないタイア(ry。イベントまたやるんですかねえ…正直、自分的にはあんまし微妙なイベントだったので、どっちでもいいかな…みたいな。芸人のMCあんまり好きじゃないのよね。曲はシンプルだけど盛り上がれるモモーイの得意分野ソング。いつも「右手をあげて」の後で「左あげないで」とか余計なコールを入れたくなってしまうけどやらない。「ANCHOR〜アンカー〜」では「アンカーは錨の他に最終走者という意味もありますが、モモーイは先頭を突っ走っていきます!」という謎MC。どっちやねん。曲はついついヘドバンとかしちゃいたくなる縦ノリ系で結構大好きだったりする。
そして次の新曲でライブ最後となるのだが、ここでなんとモモーイライブでは異例の歌唱練習が!これ、モモーイが以前に嫌いだってゆってたやつだ!こういうライブでしか飛び出さないレアな展開になんか嬉しくなる。タイトルは「東京サバイバル」。ドラムに合わせて「サバイバル!サバイバル!サバイバル!T・O・K・Y・O!」って叫ぶのモモーイライブっぽくなくて楽しいぞ。珍しく深夜ラノベアニメ主題歌のようなノリのいい曲で、ライブの〆には相応しい曲であった。完全新曲とは思えない大盛り上がりで、ジャケットのはだけた胸元からぽろりしそうなくらい激しいパフォーマンスで本編終了。
アンコールは恐らくモモーイライブ初参加と思われる後方から、普通の手拍子アンコールが起こるけど、すぐ後からいつもの「もいちどはるこがみたーいー」コールが始まる。こういうのも新鮮でいいね。コールに呼ばれて出てきた桃井さん、珍しく今回はアンコール曲を用意してなかったという事で、アルバム曲の「東京サバイバル」「カイト」をもう一回づつ歌った。このパターンも普通はあるかもしれないけど、モモーイのライブでは珍しいパターンだ!おんなじ曲をアンコールでやるのって、こんなに盛り上がれるもんなんだな!知らなかった!
デビュー15周年の桃井はるこ、これが新しい出発だ!と語っていた通り、いつもとはひと味違う新鮮味のあるライブだったと思う。新しいレーベル、新しいレーベルメイト、集客は正直以前よりも厳しくなってるという現実はあるものの、そこはそれ、ファンとしては余計な心配はしても仕方のない事なので、モモーイ現場よりも楽しい場所が自分にとっては存在しない限り、時間と体力の許す限り足を運んでいきたいと、今後の展開が楽しみになったライブだった。