フエタロさんの日記です。

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アントマン見てきたよ。

主人公のスコット・ラングは悪徳企業を懲らしめるべく行った窃盗犯で服役、しかも大事な娘は離婚した妻に引き取られるという、ヒーロー映画史上で最もド底辺と思われる冴えない中年男性。出所後にかつてのムショ仲間を頼って貧乏アパートで同居生活を送りつつサーティワンでバイトして娘の養育費を捻出しようと頑張るけれど前科有りがバレてクビに…せつなすぎる。そんな彼に白羽の矢を立てたのが先代アントマン、ハンク・ピム博士。彼の優秀な盗賊スキルを活かして、世界を混沌へ導く新兵器を盗み出し、闇に葬るのだ!っていう感じのストーリー。地に足が付いたコメディタッチのストーリーと、15mmの身長から見上げる世界のスペクタクルが今までのヒーロー映画にない新鮮さを出していた。
神様とか大富豪とかWWIIの英雄とか濃いキャラクター揃いのアベンジャーズ、そんな中に今回登場するアリンコサイズのミニミニヒーローであるアントマンの映画、正直最初聞いた時は微妙なモン作るんだなあと思ったものだが、邦訳版アメコミで映画合わせで出版された二代目アントマンの独立誌がなかなか面白かったので期待も高まるというものである。
原作のアントマンといえばハンク・ピムの印象が強いけれど、今回の映画では二代目がメイン。この初代からの交代劇を描くというアイディアが非常に上手く行っていて、特にピムに関してはジャネットとの哀しい過去や原作では別次元にいた娘を登場させたりという設定の厚み、マイケル・ダグラスの存在感ではっきり言って原作のピムより断然良かった!MCUでは科学者枠がバナーとダブるから、キャラ的にはラングの方がアベンジャーズのスキマを上手く埋められて都合もいいだろうし。
そして二代目のスコット・ラング、原作ではディスアッセンブル事件で「とりあえず盛り上げる為にパッとしないアベンジャーだれか始末しちゃおうぜ!」的なノリで貧乏くじ引いて爆死。しばらく死んだままだったのだが近年、、娘のスタチューの奮闘により復活、めでたくオウンゴーイング誌や映画化でようやく陽の目を浴びているわけです。素晴らしい。彼こそ中年の星だ!ムショ仲間のお調子者もいい味出してて、至る所でコメディリリーフ的な大活躍をしていて監督に愛されてる感じがひしひしと伝わってきた。伝言ゲームで話がズレまくるシーンのBGMがジャッキー・ブラウンだった。
MCU作品としてもファルコンとのガチ対決があったり、クレジット後のいつものアレがあったりとシリーズファンなら大満足の一作でありました。