日記。
- 「この世界の片隅に」、渋谷のユーロスペースにて公開初日の初回に見てきたよ。ほんとにとにかく素晴らしい映画だった。太平洋戦争時の広島や軍港のある呉を描いているので、つらい描写も多いけど、それだけに終わらない戦時下に生きる人々の沢山の喜怒哀楽が幕の内弁当のようにぎっしり詰まった、市井の人々のエモーショナルな普通の暮らしとか切なさとか前向きさとか。そういう一言では語りつくせない、笑いも涙も興奮も憤りも悲しみも希望も一緒くたに持っていかれるような、とにかくドエライ傑作であった。
- 原作由来の勿論ストーリーの見事さは当然ながらも、不謹慎ながらも戦艦や戦闘機のかなり緻密なメカ描写にミリヲタとして惹かれてしまう情けなさもあったりするし、派手さはないがこうの史代漫画テイストそのまんまにヌルヌル動くアニメイトに驚かされたり、水彩画風とかシネカリ風とかの奇抜な表現技法が時折信条描写としてインサートされる匠の技など、ヲタ的にも見どころの多い映画であったというのは記しておきたい。
- 帰宅後、さっそく原作漫画をkindleにて購入。全三巻の中で時間的な事情もあるであろう、それなりに削られた箇所もあるが、意外と映画として見せる為に補われた部分も多いのだというのが分かった。
- とにかくこのブログを読まれているあまり多くはないであろう読者の皆さんにも自信を持ってお勧めする、2016年という邦画豊作イヤーのラストを飾るに相応しい、君の名は…やシン・ゴジラに勝るとも劣らない、この傑作アニメーション映画を劇場でご覧になることを強く強くお勧めする次第であります。
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (21件) を見る