フエタロさんの日記です。

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広島・呉旅行記

4/8〜9にかけて、ぶらりと広島・呉を独りで旅行してきた。いずれも初めて訪れる土地で、「この世界の片隅に」を見て以来一度は行ってみたいと思っており、羽海野チカ原画展が巡回していることもあり、ここで行っておくのも悪くないとふと思い立って、数日前に宿の予約を入れた。
前日に金券ショップで買った新幹線の回数券を使って、品川を6時に出発。4時間弱であっという間に広島である。駅を出てまず目に付くのが路面電車。主要交通機関として大活躍しており、東京とは違う都市景観を目の当たりにして嬉しくなってくる。さっそくこれに乗ってそごうへ向かう。羽海野チカ原画展自体は今まで何度も色んな場所で見ているので、目新しい展示はそれほど多くは無いけれど、それでも生の原画を見るのはとにかく楽しい。今回の東京の時にはなかったスピンオフの原稿展示もあったが、意外と空いていてじっくり読めた。まあ家の本の山を発掘すれば掲載誌が出てくるはずなんだけどな。はやくハチクロ完全版でないかなあ。
昼飯は広島の美味しいものということでまずはお好み焼き屋を目指す。デパートの上の方のレストラン街にあるお好み焼き屋はちょっと値段と店構えが庶民派でない感じだったのでスルー。ネットで検索して一番近い店に行ってみたら有名店らしく行列が出来ていたので、ちょっと先のこじんまりとした店に入る。適当に選んで入ったけれどわりと大当たりで、蒸したキャベツと中華そばとお好み焼きが混ぜずに重なったお好み焼きは東京や大阪とは全然違う食感で美味しかった。
食事の後は市電で広島平和記念公園へ。やはり広島へ来たならばここへは足を運ばなければならないだろう。思っていたよりも外国人観光客が多く、靖国神社とは対称的に宗教色を配したシンプルなモダニズムによる計画がこの施設へ国境を越える普遍性を与える一因となっているように感じられた。原爆ドームから慰霊碑と資料館を一直線に配したプランニングはとても明快で、現地で実際に見てその凄さをまざまざと実感した。
その後は広島そごうの近くらへんの繁華街をブラブラしていたら、ボークスやBL書店やゴスロリ屋の入ってるオタクビルやら、メイトと羅針盤の入ってる地方でよくあるオタクビルやらの集中しているエリアを見つけて、世界中のAKIHABARAがここにも!っていう気分になった。旅先のおもちゃ屋や中古ショップって、普段の立ち回り先にはない新たな出会いがありそうで、なんか新鮮な楽しさがあるんだけど、人と一緒の旅行だとあんまり熱心にそっち系に邁進してしまうのもアレなので、やっぱり独り旅はいいな、と改めて思った次第。旅先のブックオフスーパーバザールでユニクロンの玩具を買おうか悩んだ末に諦める程度の理性は僕にだってあるんだぜ(でもガンプラは買う)。あとは戦前から残る数少ない建築物である旧日本銀行広島支店の建物を見物したり。なぜか蓄音機の展示と古いレコードの演奏会をやっており、古くて高い天井の部屋に流れるゆったりとした音楽に聞き入るお年寄りの皆さんが不思議と印象に残った。
日没前には宿泊地の呉へ電車で移動してチェックイン。気楽な一人旅なので安いビジネスホテルである。晩飯は付かないので、特にあてもなくブラブラと街をさまよったがあまり良い感じの店に行き当たれず、お好み焼きを食べたが昼の店の方が美味しかった。あと呉の駅前のプラモ屋、ガンプラの中にしれっとプレバンで仕入れたと思われる限定品を混ぜてあったりするので、侮れない店だとビビらされるなど。呉だからって別に軍艦のプラモばっかり、という訳でもなく普通に全方位の品揃えの良い模型屋だったな。
明けて日曜日はホテルの朝食を頂いてからの呉市観光。まずはバスに乗ってアレイからすこじまへ。ここは海上自衛隊護衛艦ヤードとなっており、停泊中の船舶が間近に見られるナイススポットである。横須賀港と甲乙付け難い、っていうかマニアだったら両方見るもんなんだろうな。横にあった古びたクレーンとか煉瓦造の倉庫も良い感じである。その後は造船所のドックが一望できる丘へ。旧日本海軍時代に作られた大型ドックでは、今まさに貨物船が建造されており、ド迫力の眺望が歩道からじっくり見られるのである。素晴らしい。なお、大和を建造したドックは埋め立てられて工場になってしまったそうな。その後は歩いて旧鎮守府である海自呉地方総監部を横目にみつつ、鎮守府司令長官の官舎だった入船山記念館を見学。ここはあまり人気のないスポットらしく、殆ど観光客がいなくて静かでよかった。建物自体はまあ普通の洋館、って感じかな。
中心部へ戻ってきて、退役した潜水艦を丸ごと陸揚げして展示している海自の資料館とか、1/10大和の模型が目玉の大和ミュージアムを見学。どちらもミリタリー好きなら見どころが多すぎる、重量感のある展示物が沢山あっておなか一杯だ。でもカレーはあんまり美味しくなかった。しかしながら、こうやって戦争や兵器にまつわる色々なものを見て廻ると、これだけコストを掛けて作った兵器や貴重な人命を無駄に消費していく戦争という愚行について、改めて色々と考えてしまうものだ。
旅行の最後は湾内クルーズで〆。約30分の短い航海だけど、湾内に停泊している護衛艦や造船所で建造中の大型貨物船などを海側から見て廻れるのでめっちゃお勧め。今回は特に日本の護衛艦の中でも最大級の排水量を誇るかがが見られた眼福だった。陸側から見るよりもさらに大きく見えて、旧日本海軍正規空母なみの大きさなんだそうな。
帰りも新幹線指定席。発車時間に余裕がなく弁当買いそびれたので、お土産用にと買ったもみじ饅頭や干し牡蠣を食べながら東京へ帰った。