フエタロさんの日記です。

はてなダイアリーサービス終了に伴い、2019/1/1よりこちらに移転しました。はてダでの更新日数は5625日でした。

『おたく:人格=空間=都市』をより理解する為のサブテキスト。

ま、そんなに深く考える人もいないとは思うけど、あまりに情報量が多すぎる展示を見てその先が知りたい!と思う人の為の参考文献を紹介してみたり。

趣都の誕生 萌える都市アキハバラ

趣都の誕生 萌える都市アキハバラ

この本がなければ、そもそもヴェネチアビエンナーレコミッショナーに森川氏が抜擢されることもなかった訳で。秋葉原の『変質』をいち早く世に知らしめた名著。ちゅかこの本読んでアキバのラジ館行けば、ぶっちゃけこの展示を見る必要なし(笑)。その秋葉原の変質の嚆矢となったのは海洋堂東京ショウルームの秋葉原への移転だった。その海洋堂の歴史やアクションフィギュア・食玩ブーム、おたくカルチャーの海外紹介の先例である村上隆のプロジェクトを深く語る名著。この展示の圧倒的な物量も海洋堂の支援なくしては成り立たなかっただろう。この『わたおに』のストレンジさだとか当時の熱狂っぷりを知らない人に説明するのは難しいけど、この展示のイコンである新横浜ありなのデザイン&造形が『わたおに』と同じ大嶋優木という人で制服のデザインが共通しているとか、公式カタログと『わたおに』の装丁がまったく同じなのはよつばスタジオがどっちもやってるからとか両者の繋がりはマリワナ海峡より深い。本展示のカタログ。新横浜ありなのフィギュアをじっくり観察して、タンポ印刷の異常な工程数の多さとか髪留めやスニーカーの色分けの細かさなどの無意味な過剰さに酔いしれるべし。

あさのまさひこによるヴェネチア現地レポ、村上隆斉藤環といった『ライバル』へのインタビュー、さらには森川氏のメールによるその『真意』まで、展示を生で見た後で読むとさらに楽しめる深い内容。バックナンバーなので入手が難しいが是非一読を。