フエタロさんの日記です。

はてなダイアリーサービス終了に伴い、2019/1/1よりこちらに移転しました。はてダでの更新日数は5625日でした。

『ALWAYS 三丁目の夕日』を見たよ。

昨日の夕方、仕事帰りに鑑賞したさ。結構混んでていつも見る映画よりも中高年が目立ってた。
ぶっちゃけ、CGで再現された建造中の東京タワーと昭和30年代の街並み見たさだったけどだまされた!!泣かされた!!しかも何度も何度も!!物語序盤の押入れで既に涙目、その後もチョップや盗作やお守りや万年筆や指輪でマジ泣きですよ。悔しい位に。誰かと一緒だったら遠慮してあんまし泣けないかもとか思っちまう位なもんで、一人で見たのはどっぷり感情移入出来て良かったかも。でも廻り中すすり泣いてたので僕だけじゃないからな。多分。
という訳で珍しく条件抜きにこの日記を読んでる全ての友人の皆さんに自信を持ってオススメするので見ろ!つまんなかったら代金立て替えてやるから見ろ!!キャラクターの設定や細かいエピソードが実に上手くて、老若男女、家族のいる人いない人、寂しい人寂しくない人全ての人が感情移入出来ると思う。特に東京で生まれ育った人*1や地方から東京に出て就職して今東京に住んでる人*2とかには凄いオススメっす。
あまりにオススメ度が高すぎるのでストーリーはネタばれになるといかんので書かないで他の感想を。キャストははずしてる人が全然いなくて、知名度の高い人たちはもちろん、子役までハマり役&芸達者っぷりを発揮。あえていえば鈴木オートの堤真一*3がちと風格ありすぎるかなーとか(笑)。個人的には茶川さんのダメっぷりを好演した吉岡秀隆に激しく感情移入出来るなと思ったら同い年じゃん。あと淳之介の上目遣いは反則物のヤバさ!!そりゃほっとけなくもなるよな(笑)。女性陣も集団就職で東北から上京した六子(掘北真希)、飲み屋を営む訳ありのヒロミ(小雪)、鈴木オートのお茶目なママン(薬師丸ひろ子)とと10代〜30代*4までフルラインナップで萌え不足なんて云わせませんとも(多分誰も求めてないだろうけど)。
目当ての東京タワー*5はあくまでも背景なので前面には出てこないけど、季節が変わるごとに少しづつ成長(?)していって最後には完成しているのがかっこいい。でもラストカットのはちとでか過ぎじゃない?あの時代だと廻りに高層建築ないからそう思えるのかなぁ。
そして本作一番の見所は商店街のセット。館林で作られた表通りに面する部分のオープンセットと、通りから路地に入ったメインの部分を東宝撮影所で屋内セットで組むという二段構えで再現。建物のファサードはもちろん、内部や店の商品まで作りこまれていて薄っぺらさが殆ど感じられない。ただ気になったのは、オープンと屋内の微妙な空気感の違いだけど、雨の多い日本ではまぁ仕方ないか。あとエイジングがやりすぎかなぁとは思ったけど、その辺は演出意図らしいのでよしとする。上野駅のシーンはミニチュアとCGと実写の合成が上手かったけど、デジタルエキストラの皆さんがちと不自然な感じ。ホームに乗り入れてくるC62はよく出来たミニチュアだなぁって思ってて、あとでパンフ見たらなんと梅小路にプラットホームを設置して撮影したとか!!やりすぎやねんて。他にも銀座の和光と天賞堂とかもよく出来てて感心。あと都電とかも行先表示とか細かいディテール見てるだけで楽しいし、とにかく東京好きは必見かと。
ラストの『50年後の夕日も〜』の台詞、それはそのまま僕らの現在を指すわけだけど、高度成長とバブルを経て変貌した東京の景観や時代の流れやテクノロジーの進歩によって解体された地域コミュニティや家族の変貌と裏返しなんじゃないかと胸に迫る。
しかし、20年前の自分は西岸良平の漫画がこんな風に映画になるなんて想像も出来なかったよな。21世紀って凄いわぁ。

*1:虎ノ門で生まれ育ったあなたはぜひ見るべし

*2:東北から出てきたあなたはぜひ見るべし

*3:ローレライの朝倉役

*4:設定上は35歳

*5:映画のパンフの綴じ込み付録で、当時のタワーの案内の復刻版がついてた、のでパンフはマストアイテム。