『立喰師列伝』見てきたよ。
平日の最終回、渋谷PARCOのオサレ映画館で見たさ*1。
正に押井映画そのもの。イノセンスの乗算レイヤーを限界まで重ねたゴシックテイストから一変しての限りなくアニメに近い実写というか実写を模倣したアニメというか。いやアニメなんですが。押井による昭和戦後偽史を江面エフェクトで彩られた実写テクスチュアによるCGアニメーションで動かし、山寺ヴォイスの長廻し、重苦しく軽快に響く川井サウンドが最初から最後まで延々とエンドレスに続くトリップ感は押井ファンなら極上体験、そうでないなら噴飯モノの天国と地獄。『紅い眼鏡』と『御先祖様万々歳』が好きなら必見。
ストーリーは原作とほぼ同じストーリーライン。単調すぎるかと思いきや、後半の外食チェーンとの闘争に入るとテンポアップして意外にもメリハリがあって宜しいかと。もっとも監督自身はパンフの文章で『語るモノがないのでドタバタにゆかざるを得なかった』と云ってるが。小技がそこかしこに仕込んであって、それもマニアの楽しみ。『御先祖様』の6話のジャケとかマーカライトファープとかDAICON版帰りマンとか。あと実名出してるロッテリア素敵。好きなシーンは仰々しい川井サウンドをバックにアオリで聳え立つ太陽の塔と兵藤まこの紅い口紅。
当然帰りは立喰い蕎麦で月見をたぐった。