「言の葉の庭」をみてきたよ。
早いもので、下北沢の小さな劇場で「ほしのこえ」を見て以来、早いもので10年以上の月日が流れ、その間新海誠監督は己が路線を曲げることなくそのキャリアを積み上げてきたわけですが、本作もこんなん新海誠にしか作れないだろっていうパーソナルフィルムなテイストあふれる傑作でありました。前作のようにちょっとジブリっぽい路線に浮気しないで、こういう狭い小さな世界で光とか色とか匂いとか湿気とかそういうものを素敵に誌的に描いていって欲しいのです。
雨が降ると地下鉄に乗れなくなって午前の授業に出られなくなる奇病を持つ高校一年生の足フェチ少年が、新宿御苑で出会った板チョコを肴に真昼間っからビールをあおるミステリアスガール雪野ちゃん27歳の裸足をもみゅもみゅしたりする話。雪野ちゃん27歳の駄目な大人っぷりが凄まじく胸に沁みすぎる大人のエレジー。秒速5センチの主人公より駄目すぎて泣ける。でもそこがいい。