時をかける少女見てきたー。

現在の日本アニメ界で新海誠と並んで最も評価の高い新進気鋭の監督、細田守の新作とあれば面白くない訳ないと意気込みつつ見に行けば、やはり大変面白かった！といいつつも前作のオマツリ島がちと微妙だったのでどうかとか一抹の不安はあったけど、原作との相性がいいのか杞憂だったな。
原作の約20年後という設定で、原田知世芳山和子の姪っ子の女子高生が主人公として二代目時をかける少女を襲名(?)、舞台を現代に暴れまくるというまったく新しいストーリーとなっている為、前作を忘れちゃった人や知らない人でも全然OK。でも思わずにやりとさせられる描写も幾つかあるの。科学準備室とかラベンダーとか。
ストーリーは仲のいい男友達２人と草野球に興じるヒロイン紺野真琴が、ひょんな事からタイムリープに目覚め、プリンとかテストとか鉄板焼とかカラオケとか他人の恋路とか自分の恋路とかの為に過去へのリープを繰り返す内にいつしか他人の意思や運命をないがしろにしているのではという疑念に囚われそして…みたいな感じ。
質の良いジュブナイルSFストーリーを得た細田演出はとにかく冴え渡り、学校や家族の丁寧な描写による空気感、得意技の繰り返しがぴたりとハマる中盤のタイムリープによる疾走感とスラップスティック、終盤の土手でのロングと止めによる切なさ炸裂っぷり等、枚挙に暇なし。特にヒロイン真琴の多彩な表情、特に泣きの思いっきりの良さと走り飛び転がりと体を張ったアクションが実に清清しくて、やはりこういった萌えとか媚びとか抜きで吹っ切れた女性キャラを描けるのは貴重だなぁ。
あと、貞本キャラの清潔感が細田作品のスーパーフラットな感じに非常にマッチしてて、すげぇ良かった。ダメだよ！影がないから作画が手抜きとかゆっちゃ！そこがいいんだから！個人的には和子おばさんの眉毛のナチュラル感と妹の色っぽさにぐらっときた。
パンフは内容イマイチな上にスタッフリストに原画すら載っていないお粗末さなので買わなくてもいいです。それよかこれを買え！

時をかける少女　絵コンテ　細田守