フエタロさんの日記です。

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【ネタバレあり】シン・エヴァンゲリオン劇場版を見てきたよ。

エヴァンゲリオンであります。完結編であります。エヴァ最後の新作であります。正直自分はエヴァに対して過剰な思い入れはなく、エヴァと共に青春時代を過ごしてヲタクとして育ってきた皆さんと違って公開前に一大自分語りを開陳してしまうほどのなれそめもない面白い一アニメ作品という感じなのではあるけれど、それでもSNS断ちをして観劇に備える程度には期待が高まっておりました。これだけの製作期間を費やし何度もの公開延期を乗り越えての完成であれば完成度に対しては微塵の不安もなく、あとは心持ちをフラットに整えて観劇に挑むのみ、という感じで無事にIMAX版を鑑賞したのであった。
アヴァンのパリカチコミに関してはかなり前からイベントで公開されてたので既知ではあるが、密度の濃いメカアクションパートでホットスタートをかけるのは新劇のお約束となった感があるなあ。8号機βの円形ハンドルでの操縦システムはさながらザブングルかジャンボーグ9といった風情か。
タイトルバックはニアサードインパクトによって無人の荒野と化した第三新東京市を彷徨うチルドレンたち。この下りはもうちょっと長くやるのかと予告とか見てて思ってたけど、クレジット終わったらあっさりケンスケに拾われて第三村のAパートへ。こんな近くに生き残ってたのか人類!Qでの散々なアレコレで壊れてしまったシンジ君を大人になった旧友と村の自然と別レイさんが癒してくれるよ。相変わらず冷たいアスカはケンケンの家のベットでグンペイばっかりやってやがる。かわいいかよ。ここのパートは文明崩壊した後の自給自足を営む村の生活描写が地味ながらも大層見応えある、名作アニメテイストの意外なエヴァとなっており、予告でも全く明かされなかった映像の連打にああQん時もアヴァン終わったらこうだったなあ、って思い出した。村のおばさん4人組の一人が新谷真弓さんぽい声だったけど違った。Qで不穏な空気を醸し出していた同級生たちも無事に立派な大人になった姿で再登場してくれたり、Qではシンジに塩対応で心配させてくれた別レイさんも村のおばちゃんや子どもとのふれあいの中で人間性を獲得していく訳だが最大のサプライズはカジくんとミサトの息子!破の間に仕込んでたのか!びっくりだわあ。
とまあ当然ながら村のほのぼのライフもそうそう長続きするわけもなく、別レイさんは寿命で液状化したりマダオ人類補完計画も最終局面を迎えたりでリハビリ完了したシンジ君とアスカはヴンダーへ帰還してBパートの開始。今更ながらシンジに自己紹介するマリがそいえばこの人たちそうだったな、って意外さである。衛星軌道上の無重力化で改装作業を行う描写がそこまでの村の描写と正反対でカッコいい。そして南極のセカンドインパクト跡地へと大気圏突入ダイブを決めるヴンダー、カッコいい。やっぱいいよね万能戦艦。ヴンダーと敵ヴンダー級3隻とのバトルで流れるかっちょいいBGM、何かと思ったら惑星大戦争でやっぱ見とかないといかんやつだったかーってなった。新2と改8がインフィニティの群れに突入するシーン、旧劇の弐号機vs量産型を彷彿とさせるシチュエーションではあるが、25年間を経たCG技術の進歩によるディテール描写と物量は物凄いんだけど、やっぱ巨大ロボの戦闘シーンってまだまだ手書きアニメのケレン味をCGが凌駕するには至ってないなあと同じエヴァだからこそ感じざるを得なかった。あと新2の裏コード発動時にアスカの目ん玉から制御棒が出てくるのちょっとFLCLっぽくね?
んでまあマダオと冬月、たった二人のネルフにぼっこぼこにされたヴィレですが遂に本命シンちゃん投入!となったはいいけど収まりのつかない新人類ガールズコンビ、いざとなったら拳銃に物言わせていくスタイル良いですね。ミドリはグロックだったけど、サクラのリボルバーは知らないモデルだった。実在の拳銃だろうな。
そんなこんなでマダオと拉致られたアスカのダブルエントリー13号機とケリをつけるべくマイナス宇宙へ突入するマリとシンジの乗る8号機。予告で出てきた13号機誰が操縦するのか問題でマダオと冬月を期待していたのだがさすがにそれはなかったか。マイナス宇宙はよくわかんないけど人の意思で形が変わるらしいので、初号機と13号機のラストバトルが何故かと特撮のスタジオセットでバトルという驚愕の展開で面白すぎる。板の上に置いただけの建物がずるーっと滑ってくのや壁にTV版のエヴァンゲリオンの着ぐるみスーツがかかってるし。そしてシンジにガイウスの槍を届けるべくヴンダーで決死の突撃を挑むミサト、ここで流れるBGMがさよならジュピターの主題歌とは泣かせるなあ。歌詞がぴったりすぎんだろ。
そんでまあマダオの赤裸々心情吐露が続いたりアスカのトラウマをケンケンが救ったりシンジがネオンジェネシスったりと旧劇を彷彿とさせるインナースペース展開だけど、さすがに今回の方が洗練されてるというか見ごたえあったかなあ。やっぱりエヴァってこういうのだよなあ、っていうか、新劇を始めた時はもうちょっと収まりのよいエンタメを目指してたのかもしれないけど、こうならざるを得ない業の深さこそエヴァ庵野監督なのかもね。
そんなこんなでいい感じに世界を作り替える事を選んだので人々が空から降ってきて山口県の駅の実写に声変わりしたシンジとマリがイチャイチャして劇終という今まで見たエヴァでは一番いい感じかつエヴァっぽいワケワカなラストで大変満足でありました。長年見続けてきたエヴァのラストとしてはほんと、これ以上は思いつかんですよっていうくらい真っ当に着地してくれて嬉しいんだけど、それは自分がエヴァにそこまで強い思い入れがないから、なのかもしれないのかななんて事をエヴァを見る前見た後語らずにはいられない多くのヲタク諸氏の様をみながらもそういう淡白さでいいんじゃね、って思いつつ2回目のシンエヴァの座席予約を入れるのであった。