フエタロさんの日記です。

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天使とヒキガエル。

帰宅して、ふと本棚の吉野朔実の『天使の声』が目に留まって読んでしまう。吉野朔実の一番脂の乗り切った時期っつーと、人的には『少年は荒野をめざす』の4巻辺りから、『ジュリエットの卵』の1巻くらい迄で、描線のシャープさとか間白の美しさとか、独白と科白の絶妙なバランスとかが最高に強まってるあぁとか思うのだが、中でも丁度その中間に書かれた、この本に収録されている2つの短編(『天使の声』『眠れる森』)が、もの凄く大好きだ。多分自分の蔵書の中で1冊だけ残してあとは燃やせと云われたら、迷わずこの本だろう。(ほんとはだいぶ悩むだろうな。)
ちなみに、『天使の森』は交通事故で兄と義姉を亡くした男と、夫を亡くしたオペラ歌手とヒキガエルのような声の女子高生の話。
『眠れる森』は逃げてきた青年と医者とドイツ人女性の患者の話。